イザに備える/エンディング
死亡保障は、原則として自分に万が一のことがあったとき、遺された家族のために準備するものです。そのため、シングルマザーでまだ子どもが独立していないとか、老親に十分な年金等がなく仕送りをしているといった場合を除いて、シングルに大きな死亡保障は不要でしょう。
とはいえ、葬儀費用や墓石代、看取りの際の病院への支払いなどは必要な支出ですし、それらの手続きや遺品の整理などを誰かに依頼すること自体に費用が生じる可能性もあります。こうした支出に対して、貯蓄が十分にない、確実に備えたい、特定の誰かに迅速に渡したいといった場合は生命保険に加入するのも一法です。保険金の受取人は、一般的に2親等内の血族に限られますが、祖父母や両親はすでに他界し、兄弟姉妹がいないシングルなど、該当する人がいない場合は保険会社によっては個別に対応してくれるケースもあるようです。
預貯金は使い道を縛られないのがメリットですが、取っておくつもりがつい別のことに使ってしまったということも起こりがち。また、銀行口座などは本人が死亡すると一定の手続きが済むまで凍結されてしまいますが、保険金は通常請求から5日程度で受取人の口座に支払われるので、死後の整理をお願いするにも使いやすいものです。
なお、一般的な生命保険には、医師から余命6か月以内と宣告されたときに死亡保険金の一部または全部を受け取ることができるリビングニーズ特約があります。これは、残された時間を大切に過ごしたり治療に専念したりするための費用として、自分自身のためにも使うことができるものです。