イザに備える/親の介護・相続
自治体などが提供する、ひとり暮らしの高齢者を見守るサービスとして、「緊急通報システム」があります。家の中に本体機器を設置し、緊急時に首にかけたペンダント型の発報装置のボタンを押すと、警備会社に通報が届き係員がかけつける、といったタイプが主流。オプションでトイレなどの利用状況を確認できるセンサーを追加できる場合もあります。例えば東京都23区では、全ての区がこのシステムを導入しており、「65歳以上のひとり暮らし、または高齢者のみの世帯」などの条件を満たせば、民間の見守りサービスを…
シングルの老後で心配なのは、認知症などが原因で、判断能力が衰えてきたときのこと。通帳をどこにしまったかわからなくなったり、介護サービスなどの契約書類が届いても、自分で判断するのに不安に感じることもあるでしょう。家族が側にいればサポートを受けることができますが、シングルは全て自分で対処しなければなりません。 金融機関では、必ず「本人確認」をされますので、たとえ信頼している知人であっても、本人に代わって手続きすることが難しいのも事実です。また、認知症が進むと、たとえ…
もの忘れが増えたり、自分で判断するのに不安に感じ始めたら、社会福祉協議会が運営する「日常生活自立支援事業(福祉サービス利用援助事業)」の利用を検討しましょう。サービス内容は日常生活まわりのことに限られますが、経済的に、また手続き面でも成年後見制度よりハードルが低いと言えるでしょう。 社会福祉協議会とは、全国の都道府県、市区町村に配置され、地域の住民や福祉・保健の関係者、行政機関、ボランティアなどによって構成されている公共性の高い非営利の民間組織です。高齢者や障が…
判断能力が十分でなくなった人を援助する法定後見制度は、判断能力よって低い順から「後見」「保佐」「補助」の3類型に分けられます。また、援助する立場の「成年後見人」「保佐人」「補助人」はそれぞれできることやすべきことが異なっています。 成年後見人には、本人の代理人として、買い物など日常生活に関する以外全ての法律行為や財産管理を包括的に任せることになります。また、後見人が知らない間に本人が悪徳業者と契約をしてしまった、不動産の売買契約書に捺印してしまったなどの場合…
家族のいないシングルが、判断能力の衰えを心配して、将来、後見の必要性を感じるなら、任意後見制度の利用が望ましいでしょう。任意後見制度は、判断能力があるうちに、後見人になってもらう人(受任者)を決めておくため、自分が任せたいと思う人を選ぶことができます。受任者は信頼できる法律家や社会福祉士、その他後見業務について理解や知識のある人(市民後見人)などから選ぶといいでしょう。複数人で対応してくれる法人もあります。 任意後見人の仕事の基本は「身上監護」と「財産管理」で…
法定後見制度を利用する時に援助してくれる人、つまり成年後見人、保佐人、補助人(以下、後見人等)は誰がなるのでしょうか。後見等を申し立てる時に候補者を挙げることもできますが、最終的には家庭裁判所が決めます。 後見人等は子どもや兄弟姉妹・配偶者など親族や、第三者である弁護士や司法書士などの法律家や介護福祉士などの専門職、その他、後見業務に対して理解や知識のある市民後見人などから選ばれます。個人だけではなく、NPOなど法人のケースもあります。 成年後見制…