イザに備える
まわりのサポートを得にくいおひとりさまにとって、万が一の時のSOSをどう発信するかは、考えておきたい事項の一つ。今、健康に問題はなくても、突然具合が悪くなったり、人の助けを呼べない状況に陥ったり、ということが全くないとは言えません。また、高齢になってくると、自宅内で重症事故にあう確率が高くなってきます。誰かがそばにいる時であればなんとかなりそうですが、もし一人だったら…?そんな時に心強いのが、いわゆる「見守りサービス」です。
「見守りサービス」とは、生活状況や安否等を見守るサービスの総称です。電気ポットの使用状況をほかの人に知らせるといったサービス等から始まりましたが、ニーズに合わせてサービス参入企業も増え、見守りサービスの内容も多様化しています。最近では、見守りロボットまで登場しました。
多種多様な見守りサービスですが、大まかに以下のような形に分類できます。
緊急通報サービス |
安否見守りサービス |
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異常事態に、自ら知らせるもの。警備員などが駆けつける人的サービス付もある |
普段の生活を、離れて暮らす人にセンサーなどが自動的に知らせるもの |
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家屋設置型 |
携帯端末型 |
センサー型 |
商品使用型 |
ボタンを押して通報。カメラやセンサー付きのものもあり |
ボタンを押したり、ストラップを引っ張るなどで通報 |
動作を感知するタイプ、呼吸や脈拍を感知するタイプなど |
携帯電話、電気ポット、テレビ、ガス、水道など |
サービスを提供するのは、携帯電話会社、警備保障会社、家電メーカー、ガス・電力などです。それぞれの特徴をみていきましょう。
まず、携帯電話会社の場合は、歩数計や緊急ブザーなどの機能がついた、シニア向けの携帯電話端末を使ったものが多くなっています。計側された歩数が見守る側にメールなどで通知がいき、緊急ブザーが発動された時は、その連絡だけでなく、位置情報なども届くようになっているものもあります。ただし、警備保障会社のサービスのように、その場所に人員がかけつけるサービスはなく、安否の見守りが中心。金額は端末購入代以外で300円程度、端末代込みで2500円程度です。
警備保障会社の場合は、自宅などに専用端末を設置し、ボタンを押すと警備会社のスタッフが駆けつけるサービスなどが多く、緊急通報サービスが中心です。一方、緊急通報だけでなく、健康相談にも対応しているところが多いのも特徴。利用料は、月額2400円~3500円程度となっています。
家電メーカーは、電気機器などの利用状況データを見守る側に送る、安否見守りサービスが主流です。テレビの場合は、本人の体調などを尋ねボタンで回答してもらうなど、双方向のサービスが出てきているのも特徴。機器の使用状況を時間帯ごとにモニタリングすることで、生活リズムを確認することができます。
ガス・電力会社も、利用状況のデータチェックが中心ですが、会社によっては健康相談に応じたり、人員がかけつけたりするサービスがあります。費用は、専用の操作盤などを設置するような場合は、初期費用として3万円弱の費用がかかるところがあります。また、当然ですが、ご自身が利用する管轄会社のサービスのみ受けられ、サービス内容は全国一律ではありません。
最新鋭の見守りロボットは、人の音声を聞き取り、会話が出来るというから驚きです。費用は、介護保険が適用になるNECの「パペロ プティ」が月額1万円程度、ソフトバンクのPepper(ペッパー)は販売価格20万円を切る価格帯です。
サービス選びのポイントは、万が一の時が発生するのが外出先なのか、自宅内なのかなど、「どの状況が一番想定されるか」や、本人が通報するのか、センサーが異常を感知して自動通報するのかなど、「自分にとっての使い勝手の良さ」を考えて選ぶことが大切です。
ただ、テレビカメラなどで様子をチェックされるのは、見守られる側の心理的負担も大きくなります。プライバシーを確保しつつ、見守られる側と見守る側とが、互いにほど良い距離を保ちながら利用できるサービスを選択するとよいでしょう。
こちらのもご覧下さい。⇒⇒ 民間の見守りサービスの一例
(おひとりさまスマイルCafe ”イザに備える・見守り”)