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プラチナライフ

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Vol. 16

引き出し1つを片づけるだけで変わる人生もある!

収納王子コジマジックさん

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収納王子コジマジックさん
(一般社団法人日本収納検定協会 代表理事 小島弘章)
整理収納アドバイザーや住空間収納プランナーの講師資格を保有。整理収納に“笑い”を取り入れた収納セミナーが話題となり、監修本は累計30万部を超えるベストセラーとなる。著作「リバウンドしない収納の魔法」(青春出版社)が好評発売中。2014年12月には“収育”を掲げた一般社団法人「日本収納検定協会」を設立。2015年10月からお片づけを楽しむ検定「収納検定」がスタート。フジテレビ「ノンストップ!」(毎週木曜)にレギュラー出演中。

物がありすぎて、どこに何があるのかわからない…。そんな経験をしたことはありませんか? おひとりさまにとっては、自分がいなくなったあとの片づけをどうするかも大きな悩みのひとつです。収納王子コジマジックさんに片づけのコツをうかがいました。

 

片づけは「整理、収納、整頓」の順番で行うもの

コジマジックさんは2000軒以上で片づけをお手伝いされているそうですが、片づけられない人に共通項はありますか? 

はい。使わないけれど捨てたくない物を収納スペースにしまっています。その一方で、よく使う物は自分の周りに出している。だから散らかるのです。

 

確かにその通りです…。

お片づけが苦手な方は、使わない物を「しまっている」とおっしゃるのですが、私に言わせれば「隠している」だけ。そして隠すから忘れます。

 

片づけられないのには理由もあります。昔は物が少ない一方で家族の人数は多かった。一人ひとりが占有する物が少なかったから、片づけに困らなかったのです。いまは物が多いうえ、少子化で人が少ない。しかも、保育園、幼稚園から大学までお片づけの授業はほとんどありません。

 

昔から「整理整頓」が大切だと言われます。「整理」は、要不要を区別して、不要品を取り去ること。簡単に言うと区別することです。「整頓」は、見た目良く整えることです。でも、物が増えた現代は、整理と整頓だけでは片づけはできない。「整理、収納、整頓」の順番で行われるべきです。ところが、「収納」は習っていないから片づけられない。

 

コツは「出す、分ける、しまう」

どうすれば片づけができるのでしょう?

お片づけには「出す、分ける、しまう」という順番で行うものですが、苦手な人は逆からやろうとします。しかも、「これは要らない」「これは残そう」と「間引く」。間引くは絶対にダメです。途中で手が止まってしまうからです。たとえば写真の束があると、ついつい見てしまい、時間が経ってしまいますよね(笑)。

 

お片づけをするときには新聞紙を床に敷き、物を全部出します。次は「分ける」ですが、苦手な人は「要るもの」と「要らないもの」、つまり「捨てる」か「捨てないか」を決めようとするから時間がかかるんです。

 

わかります。年配の方は「物を大切にしなさい」と言われて育っているから、捨てることにものすごい抵抗を示しますよね。

だから私は「捨てなくていいので、いま使っているか、いま使っていないかで分けてください」とお伝えしています。お片づけが苦手でも「いま使っているもの」は1秒で判断できる。悩んだら「使っていない」に入れてもらいます。「いま」を基準に判断するのは、現在形ではなく未来形で考える人が多いからです。たとえば「痩せたら着る」。

 

その場合は、その方の目を見て「痩せません」とはっきり言います。ものすごく怒られますけどね(笑)。でも「いま着ていますか?」と聞くと「それ、高かったのよ。捨てるのはもったいない」と。「もったいない」は、その物の価値を十分に活かしきれていないこと。物は使ってナンボです。処分することが苦手なら、人にあげてもいいし、フリーマーケットで売ってもいい。寄付という方法もあります。次に使ってくれる人を探すことが持ち主の使命です。

 

生きているうちに、その物の行く末を決める

価値を活かしてくれる人を探すのですね。

最後は「しまう」ですが、「いま使っている物」だけをしまうことが大切です。多くの人が、使わない物の収納に場所を取っています。収納スペースは住宅の床面積の約20%と言われます。家賃や住宅ローンが毎月10万円なら、2万円は使わない物を置くのに払っている。それはお金のムダです。

 

使わない物は、わざと目立つ場所に置きます。おすすめは玄関。出入りのたびに「じゃまだな」と感じるでしょう。すると自分が納得行く方法で手放そうとします。納得が行けば、後悔もしませんよ。

 

先日も遺品整理に立ち会ったのですが、タンスを開けたら亡くなったお母さまが大好きだった着物がたくさん出てきた。それを見たお子さん方は「お前の家においてくれ」と押し付け合いをはじめました…。その物の価値は所有者にしかわかりません。だから、大切な物ほど、生前に行く末を考えなければいけない。コレクターの中には、生前に大切な物を資料館などに寄付される方もいます。多くの方に見ていただくことで、価値が活かされるからです。

 

 

お片づけで人生が変わった! お片づけには3つの「お得」がある

大きなポイントですね。おひとりさまは、心しておかないと! コジマジックさんは「収検(収納検定)」や「収育」の普及もなさっているそうですね。

お片づけに興味がない人に、その素晴らしさを伝えたいのです。と言うのは、お片づけは人生を変えるからです。私自身がそうでした。片づけがきかっけで「収納王子コジマジック」として注目され、全国ネットのゴールデンタイムの番組にも出られるようになりました。お片づけと出会っていなければ、いまごろ芸能界をやめていたかもしれません。

 

私もコジマジックさんが漫才師だとは知りませんでした。片づけの専門家だと思っていました。 

おかげで、ちょっとおもしろいことを言だけで「おもしろい」と笑ってもらえようにもなりました。芸人だったときには「……」という反応だったネタでもですよ(笑)。

 

お片づけには、3つの「お得」があります。時間のお得、お金のお得、心のお得です。時間のお得は捜し物をする時間がなくなること、お金のお得はムダ買いや二度買いがなくなること、心のお得はイライラがなくなることです。

 

捜し物をする時間が減るのはうれしいですね。

著書「リバウンドしない収納の魔法」(青春出版社)

話を戻しますが、「しまう」ときは、どこで使うかを考えることが重要です。家が散らかっている人は物に住所がない。戻す場所が決まっていないから迷子になり、捜し物をする羽目になるんです。「しまう」までのアクション回数を減らすことも大切。

 

クローゼットを開き、箱のふたを開けて取り出して身につける場合、3アクションあります。戻すときも3アクション。手間が多いから「後で…」になってしまう。収納は1アクションが望ましいのですが、すべてを1アクションにするのは難しい。でも、箱のふたを取り除けば1アクション減らせます。使う場所の近くに置くこともポイントです。ゴミ箱の底にゴミ袋を入れておけば、ゴミ袋を出すアクションを減らせますよね。

 

コツがわかってきました。でも、自分ひとりだと「使う、使わない」がやはり「要る、要らない」になって挫折しまいそうです…。

自信がない方はプロの手を借りるといいかもしれませんね。その場合も1から10まで全部プロに任せなくても、4から5の段階で「自分でできそう」と気づけます。コツをつかめるからです。

 

それと、みなさん「老後に時間ができたら片づける」と言いますが、老後は老後で楽しいことがたくさん待っています。後回しにしてはダメ。いますぐ引き出し1つからはじめてください。それがきっかけで人生が変わるかもしれませんよ。

 

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