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お役立ちコラム

イザに備える

病気やケガに備える先進医療って何?どのくらいの費用がかかる?

「先進医療」とは、まだ保険診療の対象になっていない評価段階の先進的な医療技術のことです。厚生労働大臣が認可した特定の病院や医療施設において、患者が先進医療を希望し、医師がその必要性と合理性を認めた場合に行われます。治療における身体への負担軽減や、今まで治療が難しいとされてきた病気への高い効果などの面から、期待の大きい医療技術でもあります。

 

具体的には、患者の身体に放射線の仲間である粒子線(陽子線または重粒子線)を患部に照射して切らずにがんを治療する「放射線がん治療」や、白内障の治療で、遠方と近方の両方に焦点を合わせることが可能な眼内レンズを使うことで見え方の質がより高まった、「多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術」などがあります。

がんの重粒子線治療は、身体へのダメージが小さいので回復も早く、入院も短期で済みます。退院後の世話を周りに期待しにくいおひとりさまにとっては、これらの治療法は心強いでしょう。

 

現在の医療保険制度では、一般の保険診療と保険外診療との併用(混合診療)は禁止されていますが、先進医療は混合診療が認められています。先進医療の前後に受ける診察、検査、投薬、入院など基礎部分については、一般の保険診療と同様に公的医療保険が適用されますので、これにより総医療費の軽減につながります。

 

図:総医療費が100万円で、そのうち先進医療部分が20万円だった場合

 

※高額療養費制度による払い戻し分は考慮していません

 

ただし、先進医療の技術料は、内容によって金額の差が大きく、かなり高額になるものもあります。特に高額なのが、がんの「陽子線治療」と「重粒子線治療」です。費用は1件300万円ほどかかり、複数回受ければ総額はさらに高額になります。

先進医療にかかる技術料(1件あたり)

陽子線治療

260万円

重粒子線治療

300万円

多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術

約 50万円

(出所:厚生労働省 第14回先進医療会議資料より試算)

 

先進医療の高額な技術料に備えるには、民間の医療保険やがん保険の先進医療特約で備えることができます。先進医療保障単独では加入できません。特約保険料は、年齢に関係なく、現在は100円程度ですので、気になる人は検討してみるとよいでしょう。ただし、先進医療の対象となる治療法は毎年見直されますので、保険加入時は対象だったものが、保険金請求時には対象外となってしまうことがあります。また、中には特約期間が10年の商品もありますので、その場合は次の更新時に保険料が変更になる可能性があることも留意しておきましょう。

 

(2019年12月追記)

白内障の先進医療については、民間保険の先進医療特約の給付実績が多いこともあり、保障の対象から外したり、一定期間は保障しないなど改定の動きがありますので、新規に加入する場合は確認しましょう。

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