イザに備える/エンディング
法定後見制度を利用する時に援助してくれる人、つまり成年後見人、保佐人、補助人(以下、後見人等)は誰がなるのでしょうか。後見等を申し立てる時に候補者を挙げることもできますが、最終的には家庭裁判所が決めます。
後見人等は子どもや兄弟姉妹・配偶者など親族や、第三者である弁護士や司法書士などの法律家や介護福祉士などの専門職、その他、後見業務に対して理解や知識のある市民後見人などから選ばれます。個人だけではなく、NPOなど法人のケースもあります。
成年後見制度が開始された当初は、9割が親族でしたが、現在は約5割と減少。代わりに、第三者の後見人等が増えています。身近に後見を頼める親族がいない単身世帯が増えていることや、親族は本人の相続人になる可能性が高く、利益相反になる可能性があるため。親族間に意見の対立があったり、事業収入があったりすると、後見人等として親族が選任されなかったり、他に監督人を付けられたりすることもあります。
<後見人等に選任される人とそのケース>
家庭裁判所が後見人等を選任すると、その人が単にいやだという理由で取り下げることはできません。シングルの場合、第三者が後見人等になる可能性が高くなります。そのことに不安があるなら、市町村の社会協議福祉会で後見人等の候補者を紹介してもうといいでしょう。申し立てする前に候補者と会い、信頼できそうな人か、また相性はどうなのかなど確認することができます。
任意後見制度を利用する場合は、自分の価値観や好みをよく理解してくれている人を自分で選んで契約できるメリットがあります。
家庭裁判所に申立をする人として認められているのは、本人や配偶者、4親等以内の親族(従兄弟・従姉妹や甥・姪の子も可)などですが、シングルでそれらに該当する人がいない、かつ本人が困難な場合は、市町村長が申し立てることになるでしょう。
認知症の発症の可能性が高まる70代を迎える前に、成年後見制度の利用について検討しておきましょう。また、誰に後見をお願いしたいという希望も、エンディグノートなどに書き示しておくと安心です。