イザに備える
老後資金を考える上で、考慮しておきたいのが将来の介護に備えるお金です。しかし、どの程度見積もっておけばいいのか、明確な答えを出すことが難しいのも事実です。なぜなら、介護のレベルやどこで誰に介護を受けるかによって、必要な金額が大きく異なるからです。
介護経験のある人へのアンケート結果を参考にすると、全体の介護費用の平均は月額8.0万円、一時費用は67万円でした(表1)。この結果からも、介護度による差、場所による差が大きいことがわかります。また、介護期間の平均は全体で54.5カ月(在宅介護は53.1カ月、施設介護は55.9カ月)。単純に月額の介護費用に期間をかけて、一時金も加えると約503万円です。しかし、シングルの場合、施設に入る可能性が高くなりますので、そのケースで見積もると、約728万円にも及びます。
当然ながら、介護が必要になるということは、日常の活動範囲が小さくなり、生活費として見込んでいる費用は少なくて済むでしょうから、介護費用として別に見込むなら、300~500万円程度。高い民間の有料老人ホームへの入居を想定するなら、さらに上乗せする必要があるでしょう。
誰もが介護が必要になるわけではありませんが、特にシングルの場合、家族の手が借りられませんから、お金を払って介護やサポートを受ける可能性が高くなります。通常の生活費とは別にして、しっかり準備しておきましょう。
<介護費用の目安> (過去3年間の介護経験者へアンケートより)
平成30年度「生命保険に関する全国実態調査」(平成30年12月発行)
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月額(万円) |
一時金(万円) |
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全体の平均 |
8.0 |
67.17 |
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要介護度別
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場所別 |
要支援1 |
5.8 |
17.33 |
要支援2 |
5.4 |
76.03 |
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要介護1 |
4.5 |
51.06 |
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要介護2 |
5.7 |
59.06 |
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要介護3 |
8.7 |
93.11 |
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要介護4 |
9.9 |
54.76 |
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要介護5 |
10.3 |
81.32 |
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在宅介護 | 4.6 | 89.7 | |
施設介護 | 11.8 | 69.28 | |
公的な老人福祉施設や 老人保健施設 |
9.9 | 47.2 | |
民間の有料老人ホーム等 | 13.8 | 78.95 | |
病院 | 9.2 | 77.9 |