暮らしとお金
老後に関する最大の不安のひとつは、資金が途中で枯渇するかもしれないことでしょう。そこで、安心なセカンドライフを送るにはいったいいくら必要なのか、自分で試算してみることが必要です。
「老後資金」とは、老後に予想される支出総額から、老後に期待できる収入総額をひいた不足額です。いつまで生きるかはわかりませんが、リタイアから90歳までを目安にすれば無難でしょう。
支出のメインは生活費です。老後の生活を予想するのは難しいかもしれませんが、現在の生活費をベースとして、質を下げたくなければそのままの額、慎ましく暮らすなら0.8~0.9掛の額を置いてみましょう。今後の物価上昇を考慮すると、あまり減らない可能性もあります。
毎日が休日となるセカンドライフは、自由に生きられる大切な時間でもあります。その時間を楽しむための一時金などをイベント費用として見込んでおきます。例えば海外旅行や趣味を始めるためのお金、住宅のリフォーム費用、車や大型家電の買い替え費用など、まとまって出ていくお金に加えて、いざというときの医療費・介護費用、エンディング費用なども見込んでおきます。
一方、老後の収入ですが、会社員(公務員)の場合は、公的年金<老齢基礎年金+老齢厚生年金(退職共済年金)>に加えて、退職金や勤務先によって企業年金があります。自営業やフリーランスの場合、公的年金は老齢基礎年金だけ、退職金や企業年金もないため、そのぶん資金準備を手厚くしておく必要がありそうです。公的年金額は毎年、誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」が参考になります。「ねんきんネット」(日本年金機構)に登録すればより細かい情報を得ることもできます。
その他、個人年金や保険の満期金、老後まで使わない貯蓄があれば、合わせて計上することができます。
こうして予想した支出と収入の差額が、これから準備すべき老後資金です。下記の計算式の赤枠の部分を自分の数字に置き換えて、早速試算してみましょう。